『吹き抜ける風が心地いいからかなぁ』
『風がホントに好きなんだね』
カイトが羽根を広げる仕草を見せる。
『そうだね。大空を駆け巡るってよく言うけど、どこまでいっても無限のように広がってる感じが好きなんだよね。風に乗ると、いつまででも飛んでいたい気分になるよ』
木々の緑が目に眩しく、澄んだ空気がアタシを少し和ませていた。
『アタシには飛ぶということは無理かも。あんなに高くは飛べないし』
カイトが楽しそうに笑う。
『高くは飛べなくても、自分の高さで飛べればそれで十分だよ。無理して飛ぶ必要はないよ』
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