陽射しがきつかった。
小さなアタシの羽根では、到底追い付かない。
ふと、今出てきた部屋を思い出した。
いつも変わらない風景。
いつもと変わらない人たち。
いつものスキンシップ。
いつものあいさつ。
今いる大空の下。
何気ない毎日でも、変わらない毎日がよかったのかな。
今のこの瞬間が、見たことも感じたこともない大空の下だということに、まだ信じられない気分でいた。
初めての場所。
いつかは飛び出したかった。
外の景色はとてもくっきりとしていて。
部屋で見る大空とは、まったく意味の違うものだった。
ワクワクとまではいかない。
でも、少しの不安は覚えた。


