「ま、とりあえず行ってくるよ」 『・・・気をつけて。』 あまり、鳴くことが得意じゃないぶん、何故か無愛想な気持ちになってしまう。 ・・・なんとなく、今日もゴメンね、たかしくん。 少しの戸惑いを隠しながら、いつも後でコッソリ謝っている。 でも、あのスキンシップはない。 鷲掴み状態だよ? 思い出すと、また少しの怒りが込み上げてくる。 ため息をつきながら、空を仰いでみた。 『―――いつになったら出られるだろ・・・』