陽だまりの午後 ~れおん・マロン・ポン太 ある1日のお話~

「この頃は、まだおじいさんも元気だったよ。みんなを集めては、いろんなことしたんだよ、本当に」

『おじいさんは明るい人だったんだね。今もいたら、ボクも一緒に話すことができたかな。』

「飽きない人でもあったんだよ、言えばキリがないんだけどね」

『いい人だったんだね。』

ふと、何かに気付いたおばあさんが、また腰をかがめて何かを手にする。

見れば、よく目にするような茶封筒といわれるもののようだった。

よく詩織さんが『これ、ちょっと見た目地味じゃない?』なんて言っているものだ。

詩織さんがよく目にするものは、ちょっとシンプルでいて味のある大人チックな感じのものが多かった。

゛こういうのって、たまに使うからいいんだよね゛

詩織さんは、よくお手紙的に封筒を使うのではなく、何かの書類を分けるために使うのが主だった使い方だった。

おばあさんのように、こんな何かを秘めたような微笑みにはなれないような、そんな感覚で封筒を使う。

「おじいさんからの・・・」

そう言って、おばあさんは口をつぐんだ。