愛は要らない



あの頃は、両親が死ぬなんて夢にも思わなかったし、自分がこんなに早く結婚、離婚するとも思わなかった


「この年でバツイチかぁ・・・」


呟いて、綾野はポケットから指輪を取り出す

捨てなくてはいけない

分かっていても、その時になると手が止まる


「・・・・・・捨てよう!」


思いたって、綾野は指輪を握りしめる


「いつまでも持ってたら、前に進めない」


そう言って、投げようとするが、肝心なところで手が止まる