さよならは嫌い お父さんもお母さんも、もう会えない 永遠に、さよならをしてしまったから それは、人生の中で一番怖いものじゃないかと、綾野は思う もう二度と会えないと思うと、悲しくて、苦しくて、何日も、思い出しては泣いた さよならは、嫌い 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・奥様?」 真っ白な天井 鼻につく、消毒薬の臭い ぼやける視界に映るのは、複雑な表情の舞子だった