「・・・いつもは素っ気ないけど、笑うと可愛い子だよ」

「そう・・・」


弱く微笑む楓に、胸が痛む


(まだ、気持ちが残ってる・・・?)


一度は結婚を考え、そして振られた

夢を追った楓は自分のもとを去り、自分もまた、新しい愛を見つけた

何も、引きずることじゃない


「あ、既婚者を誘っちゃ、ダメ、だったよね?」

「友達だろ?大丈夫だよ」


今はもう、恋人じゃない

悲しい雰囲気に包まれながら、2人はグラスを手にとった