愛は要らない



こんな調子で、大丈夫なのだろうか、と運転手ですら不安に思う


「ごきげんよう、遥さま」


車から降りた2人を出迎えたのは、篠宮 薫子

今日も見事に、着物を着こなしている


「奥様も、ごきげんよう」


あからさまな敵意を含んだ視線に、綾野は気づいていないように笑い返す


「今回は、世界で活躍する日本人画家の作品を中心に、展示していますの。わたくしは、こちらの画家の作品が、特に気に入っていますわ」


薫子の説明に、遥は笑いながら相づちを打つ