数週間ぶりの
自分の住んでた部屋。


すっかり季節が
変わっている事を
認識した。


人気がなかったため、
冬場なら、相当
凍えたはずなのに。

運び損ねた毛布で
十分眠れる。


それだけ、
季節が進んだ証拠だ。


私も、少しずつ
変わっていると
思ってた。


でも
実際は

あんまり
違わないのかも
知れない。


ライフラインが、
かろうじて
残っているだけの
ガラガラの部屋。

「結構、ここも広いな。」

小さく呟いた。


あるものと言えば、
処分予定の
メタルシェルフや食器が、
段ボールに収まって
廃棄を待っているくらいだ。


渡米前に、お兄ちゃんから
預かったLPも、
もう、ない。

志央が買い取り、
所属バンドが事務所で
聞けるようにしたいからと、
運び出していったから。


結局、ここも
ガランとしていて、
空間を、持て余して
しまう。


志央がいないと
こんな寂しいなんて。


来るときに買ってきた
缶ビールを飲みながら
ため息をついた。