また・・・
手首に爪が立てられる。


「セックスはね・・・


夫婦でしか・・

しちゃいけない・・

ん、だよ。」



苦しい言い様。


そう、おもっていたら・・・


そう、信念があれば・・・


こんなことに
ならなかったんだよ。


あの人を思いだす。


世間では、不倫なんて
言葉で片付けられるけど、
愛してた。


相手も、愛してるって、
いってくれたけど・・・
所詮、『愛』の種類も、
互いの中で占める順位も
違う事に気づいていった。


彼は、私の存在を
隠し通した。


不満には、
思わなかったけど・・・


彼の家族等の身内は
もちろんの事、
社会からも・・・
隠されて、遠ざけられて

その虚しさから
別れたいって言っても、
中々、解放もされずに、
わたしは、結局、
日の当たらない場所に
どのくらい、つながれて
いたのだろう。



でも、それは、
今も変わらない。


見えない何かに
つながれたままだ。


他の誰かを愛しても、
私の身体は・・・

ソレを求め、
満足しない。


隠す事が、苦しい。

思い出す事が、苦しい。


なら、最初から、
誰とも、つきあわなきゃ
いいんだよ。


そう、気がついたのは、
いつだったのだろう。