女の子が立ち去ったあとも、
私たちは、しばらく、
そのまま動かなかった。


こんな風に、
誰かを抱きしめるのは、
久しぶりだ。

体温と、筋肉の固さと
同時に柔らかさを感じる。


脳裏に、
忘れようとしているはずの、
何かがうごめいている。

私は、それを抹殺する。


大丈夫、この位なら、
知られないよ。


怖がらなくて、いい。


大丈夫だよ。



それにしても、



この子、寝てるの・・・?

規則正しく肌に当たる呼吸に、
疑問をいだいた。