家に帰り、メシを作る。



悠大がソファーでニヤツいてるのが気になったけど、俺には関係ない。



そんな悠大とは逆に、最近陽は落ちている。



何があったかなんて知らないけど、急に俺に昔話をし始めたとこ辺り、重傷っぽい。



「今日のメシなに?」

「ギョーザ」

「マジ!?お前のギョーザ超うまいから好き~」



珍しく尚道がいる。



バイトが休みなんだろうか。



あえて聞かない俺。



「ケント、最近楽しい?」

「は?」

「よっさんがさ、ケントが最近楽しそうだって言うから」

「普通」

「そっか、恋の相談ならお兄さんが乗ってやるぞ~」

「うぜぇ、焼くぞコラ」

「あっ、ごめん…」



恋したって、報われるわけでもねぇんだ。



人を思っても痛いだけ。



今までさんざん味わってきたからもう慣れてる。



嫌われるのは、俺の特技みてぇなもんだ。



目障りだとか、死ねとか、言われ慣れてる。



だけど…彼女に嫌われるのは怖いと思う。