ダメだ。



余計なことは考えずにやろう。



ただ、今を楽しもう。



「ケガすんなよ、お前。俺のせいでケガして試合出れねぇとか、マジでナシだから」

「その言葉、そのまま尚に返すよ」

「生意気」



始まったサッカーは懐かしすぎる感覚。



思い切り走り、ボールを追いかける。



楽しくて…やっぱりサッカーほど熱くなれるものはないと実感。



「やっべ~…。体力落ちてる…」

「声出せよ~」

「尚さん、実はケガなんかしてなかったんじゃないスか?足早すぎ…」

「無駄口叩いてねぇで集中しろコラ」

「昔の先輩に戻ってんじゃ~ん…」



とにかく楽しかった。



ささやかだけど思い出した試合の空気。



点が入った時の叫びたくなるような感覚。



とにかく…熱くなれた。



「ふざけてんのお前だろ尚!!」

「プロだろ、お前」

「どの辺がブランクなんだよ!!」

「俺は今まで、イメトレという瞑想の世界を極めてたのだよ」

「完全復活だな、尚」



とにかく楽しかった。