まず、実家が金持ちで、亡くなった親から財産を相続したのが19の時らしい。



海外の大学は17の時に卒業したそうで。



親が残した会社とか、自分で立ち上げた会社の社長。



それを教えてもらったのは、俺が20歳になった時。



一緒に酒を飲んで、よっさんが生い立ちを教えてくれた。



俺から見れば成功者。



俺は…ただの負け犬。



「ニャ…」

「あっ、お前こんなとこで…濡れるぞ?」



最近、この家に猫がやってきた。



ケントが拾ってきて可愛がってる。



浴槽のフタの上で寝ようとしてる猫を見ながらシャワーを浴びた。



生まれ変われるなら、猫になりたい。



もう、人間には生まれたくない。



膝の傷を見るたび、ため息が出る。



これさえなきゃ、俺はこんなに荒んでなかった…。



って、言っても、もうどうしようもないことはわかってる。



だけどやっぱり、俺は諦めきれてない…。



俺はどんな大人になるんだろう…。