【完】最期の嘘

汐は目の前の光景に驚き過ぎてフリーズする。



目の前の、『比嘉優太』と名乗った男は、数分前液晶テレビの先にいたのだから。



「嘘…シュガビのK!?」



「シィィー!大きな声出したら隣近所にばれる!」



優太は長く骨張ったその指先を汐の唇の前に押し当てた。



汐は今のこの状況のわけが分からず頭の中が混濁した状態だ。



簡単に纏めたら、お向かいの比嘉さんはこの人で、この人はシュガビのKで…



比嘉さんイコールKってことにならない!?



頭では理解出来ても、そう簡単に冷静になれない汐。



その状態の汐が妙に可愛くて、優太は思わず頬が緩んでしまった。