全ての事情が分かり、礼治は少し考える込んだ。 微妙って…ホントに、微妙だ。 優太の焼肉屋での礼治へ対する反応から、汐に気があることは気付いていたのだが、まさか直接的な言葉を残さず出発するなんて、思いもしてなかったのだ。 「しー、不安、だね。」 本当は自分が話を聞いてしまったことにより痛む心があるが、汐の不安の気持ちが心配な礼治。 そんな礼治は、ココアで温まった掌で、汐の頭をぽんぽん、と優しく触った。