【完】最期の嘘

「ねー、しーは、彼氏、いる?」



礼治は昨日優太に状況を聞いていて、自然消滅状態の彼氏がいると聞いていたから知っていたが、あえて尋ねる。



汐は一瞬顔を強張らせ、そして困ったように笑った。



「実は、昨日色々あって別れたんです。」



その一言と優太の物と酷似したブレスレットとで、礼治は察した。



そっか、ユータと……。



不思議系と言われる礼治ではあるが、それなりの経験しており、周りの空気を読むことはたやすいことである。



「ふーん、それで、ユータとどうにかなっちゃった、とか?」



わざと目線をブレスレットの方に向けて、礼治はふっと微笑した。