【完】最期の嘘

ワンDKのその部屋は、大学生の女の子にしては生活感がなく、物が少ない落ち着いた部屋である。



広い部屋に青いレースカーテンで仕切りが作ってあり、そこが汐の寝具のある場所だと感づく優太。



そっとそこを開き、か細い汐の身体を柔らかなベッドへ寝かせ、その上に膝立ちで覆いかぶさった。



ギシリ、とベッドのスプリングの軋む音が響き、その音が優太を興奮させる。



「汐ちゃん…いい?」



優太のその涼しく、独自の輝きを放つ瞳に捕らえられた汐は抗う気力など湧くはずもない。



何も言わない汐の無言の合図に、優太はふっくらとした汐の唇に噛み付くようにキスを落とした。