【完】最期の嘘

「…んっ……ふぅ。」



優太の唇から送られる甘い魔法に侵される汐は、その熱で魅惑的な吐息を零す。



優太は啄むような口づけを、深く、激流のようなモノに変えて汐を攻める。



彼氏と別れたばかりで他の男と、と心の奥の理性が汐に言っているが、それ以上に優太を求める本能の方が強いらしい。



汐は、優太の細い首に腕を強く回した。



そんな汐の行動に、優太の心のどこかでざわついていた罪悪感のようなものが音を立てて壊れて行く。



汐のいかにも軽そうなその身体を抱き抱えると、自分の部屋と同じ構造の汐の部屋の奥へ向かった。