【完】最期の嘘

「あの〜…一体、何だったんですか?」



汐が男に怖ず怖ずと聞くと、男は振り返る。



男は大きめのサングラスをかけているが、すっと通った鼻筋から、端正な顔立ちだと窺える。



「突然女の子の部屋に入るなんて俺、不審者みたいだよね。ゴメンね。」



見た目よりずっと優しい感じの喋り口調の男。



「俺、君の向かいに住んでいる比嘉優太です。」



男…優太は大きな掌を汐に差し出した。



しかし、汐はまだ不信感を払拭出来ないと言わんばかりの顔。



やっぱり、このグラサンとニットが印象悪いのかな。



優太はうーん、と頭を抱えた。