【完】最期の嘘


打ち上げも終わり、酒を飲まなかった順平の車に篥と礼治。桜川の車に優太が乗り帰宅する。



「優太、あんまりあの娘に入れ込むなよ。」



「入れ込まないよ。汐ちゃんとはそんな関係じゃないしね。」



優太のもやもやする気持ちに気付いたのか、桜川はただ押し黙った。



…ったく、これだから素直に恋愛したことないモテる男はダメなんだよ。



マネージャーの身分の桜川。こんな本音が出かかるが、喉の手前でぐっと飲み込んだ。



優太はただ、外のネオンや車のライトを遠目で眺め、それに飽きた頃に長い睫毛の生えた瞼をそっと伏せた。