【完】最期の嘘

優太が笑顔でスティックを振るい始めると、篥がエフェクトをかけて歪ませたギターで暴れ回る。



更に礼治が、自前らしいメタルピックで弦を弾き出し、本来の順平の演奏よりもじゃりじゃりとした低音を奏でロック感を強める。



順平はマイク片手にポップに暴れる音の龍を乗り回すように歌った。



シュガビの中でも売れた有名な曲であり、オーディエンスもシュガビメンバーも楽しそうだ。



礼治も急なセッションなのにも関わらず、息もピッタリで余裕もあり、くるくる回ったり細長い脚を蹴り上げたり、ハコを湧かす。



凄い…!面白い!



汐も輝くステージをそれ以上に輝く瞳で見つめた。