【完】最期の嘘

造りこまれた音。しかし、それでいてまだまだ発展途上の彼ら。



成長し続けるだからこそ、オーディエンス達は離れない。そして新しくつく。



汐はステージの上で圧倒的な何かを放つ三人に、胸がいっぱいになった。



ハコの中を走り抜けるような美しい音。オーディエンス達の熱気。



興奮が汐の身体の力を奪い、思わずふらつく。



しかしその身体は細長い腕に受け止められた。



「あっ…すみません。ありがとうございます。」



汐は隣の、照明の光を吸い込んだような眩しい銀髪の青年を見上げる。



「ライブ、体力いる。疲れたら、甘いモノ食べるのが一番。」



青年は汐に大粒のキャラメルを一粒手渡した。