【完】最期の嘘




時は経ち、ライブ当日。



汐は開演より少し早くに代々木第一体育館へ向かう。



シュガビは初日公演から凄いところでするんだな…



汐はかなりドキドキしながら指定されていた場所に向かう。



「如月さん。」



後ろから、ツアーのTシャツに身を包んだ男の人に名前を呼ばれる汐。



この人、シュガビのマネージャーさんだ。



前もって汐を迎えに行くように言われていた桜川が汐を迎えに行ったのだ。



「もう開演の時間なので、おそらく目立たないうちに案内しますね。」



丁寧だが少し冷たい印象の桜川にびくびくしながら汐は後を追った。