【完】最期の嘘

ボーカルの爽やかだがビブラートの効いた声が響く。



シュガビの音楽が重く甘い音なら、暁の音楽は駆け抜けるような音と例えられるだろう。



何曲か聴いているうちにいち早く順平が戻って来る。



「あれ?優太さんとQさんは?」



「あの二人は素行が悪いもんで、またマネージャーに怒られてますよ。」



順平は小麦色の髪の毛をがしゃがしゃと掻きむしり、後部席に座った。



「あの、Jさん、私多分貴方より年下ですから、敬語なんて、気を遣わないで下さい。」



丁寧な順平がテレビのイメージと合わず、汐はしどろもどろしながら順平に言った。