【完】最期の嘘


「って、わあ…煙草くさぁ。」



ドアが開いた瞬間、大量の煙が車から溢れ出る。



少しくらいは煙草が平気な汐も、流石にむせ返ってしまう。



「だから言っただろ篥。俺は止めたんだからな。」



「えー?止めたっけ?」



煙草の煙だらけの車内から、優太以外に二人の男の声が聞こえる。



「あ、今日はシュガビの連中も乗ってるけど気にしないで。」



いやいや、気にしますって。



優太の爽やかな笑顔に汐は心の中でツッコミを入れる。



視界を後部席の方に移すと、確かにシュガビのJとQが乗っていた。