「まあ、俺らが本気出せば、ザッとこんなもんだべ。」 仕事も終わり、んーっと背伸びする篥。 「次はライブツアーの打ち合わせだろう?呑気なこと言ってんなよ。」 桜川は喜ぶ篥を言葉でバサッと斬った。 ツアーか…。汐ちゃん、誘ったら来てくれるかな? そんな中、優太はぼんやりとそんなことを考えていた。 そう、このツアーに汐が来ることで、切ない物語が幕開けするとも知らず… 運命の針は、悪戯にも動き出しているのだ。