【完】最期の嘘

あれからの三年間、色々あった。



まず、汐は優太と付き合い始めてから夢が出来たということだ。



ビジュアル系バンドという、いわば見た目には気を遣う職業の優太を見ているうちに、汐はメイクについて興味を持つようになった。



そして、思い切って大学を中途退学し、美容の専門学校に進む。



二年間の勉強を修学し、現在汐はシュガビの事務所がご用達のメイクの会社に下っ端ではあるが、就職することが出来た。



汐は優太と出会って自分の気持ちに素直に生きることがどれだけ大切なことか、やっと分かったのだった。