【完】最期の嘘

「ふーん、なるほど。優太さん相手じゃ、礼治も敵わないな。」



他のオーディエンス達は汐をサービスに偶然選ばれたファンとしか思っていない。



しかし、ハイジは全てを理解してニヤリと笑った。



まだ興奮冷めぬ東京ドーム。



Zeppとも、武道館とも、代々木第一体育館とも違う、独特の響きを残すこの場所。



この空間の中で、違う興奮に包まれているのはおそらく汐とハイジのみ。



十万人以上の人間が放つ熱気とは……種類が別の興奮であった。