【完】最期の嘘



「…ありがと、な。」



「へっ………?」



意外過ぎるその言葉に、汐は間抜けな声をあげてしまう。



汐はてっきり、ハイジや他の暁メンバーには、礼治を傷付けた自分は怨まれていると思っていたのに



あまりにも『憎しみ』から遠退いた言葉をかけられ、思考がフリーズしてしまったのだ。



「俺、ぶっちゃけあんたのことスゲームカついてるし、腹立ってるんだ。

けど…この間、礼治がびっくりするようなバラード曲を書いたんだ。

前の礼治じゃ絶対あんなん書けなかったと思う。それって、礼治がそれだけの恋愛をしたからだと思うんだ。

だから…ありがと、な。」



ハイジはぶっきらぼうに告げるとロッカーにコインを捩込み荷物を預けた。