【完】最期の嘘

その姿を後ろから見て、礼治も胸が熱くなっていた。



龍治みたいに感性豊かではないから、上手く嬉し涙が出て来ない。



けれど、嬉しいのは龍治と同じくらいである。



汐のことが頭を締めていた今までは、正直暁のことが二の次になっていた。



でも、今は違う。



龍治が言うように、夢へのスタートラインを切ったばかりの礼治。



きっと、その喜びが直に来るための苦しい恋だったのかな…



と、思えるようになっていた。