【完】最期の嘘

「俺の身体、心配?優しいね。」



礼治はふわりと優しい表情になり汐と同じ目線にしゃがむ。



「もう大丈夫。しーがいなくても俺は、大切な仲間が沢山いる。」



汐の罪悪感が少しでも和らぐように礼治は言い、目線をハイジに向ける。



汐も同じ方向に向くと、そこにはライダースジャケットを着たワイルドな風貌のハイジ。



きっと…私、あの人にも怨まれているんだろうな。



汐は心の中で反省し、そっと目を伏せた。



「ハイジ、少し目つき悪い。でもいい奴怖がらないで。」



こっちを黙って見ているハイジの目つきの悪さに苦笑しながら、礼治は穏やかに言った。