【完】最期の嘘



二月が終わり、三月も中盤に差し掛かった頃。



書店でアルバイトをしながら大学に通う汐は、春休みに入ったので昼間から夕方まで働いていた。



バイトも終わり、帰り、本や雑貨のコーナー担当の汐は、担当外のCDコーナーへふらりと足を運ぶ。



流れていたのは……シュガビのニューアルバム『雷鳴』である。



アルバムのジャケットには、黒髪ショートボブからウィッグを編み込んだコーンローの篥。



デビュー当時から変わらない小麦色の髪の毛をセットした、白いスーツ姿の順平。



そして、栗色から黒と淡い桜色のメッシュに染め変わった、涼しい瞳の優太。



そのジャケットに惹かれ、汐はアルバムを手に取っていた。