【完】最期の嘘

汐のことは、本当に好きだし、今でも気持ちが変わらない。



しかし、いつからだろう。



彼女を『好き』な気持ちに、嘘を塗り重ね、純粋な気持ちを忘れていた。



想えるだけで幸せだった礼治。いつの間にか、自分のモノにしなければ幸せに出来ないと自身に言い聞かせるようになっていた。



それが違うことなど分かっているのに、想うだけで満足していた礼治を自ら締め付けていた。



礼治が汐に与えていた愛は、本物の純愛などではなく、そんな自分が知らず知らずに作り上げた偽装の愛だったのかもしれない。



辛いという感情で潰れかけていた礼治の心は『真実』という空気により、再び膨らみ始めた……。