【完】最期の嘘

「汐ちゃんは、シュガビの音楽をどう思う?一回ファンの子以外の一般の子に聞いてみたかったんだ。」



優太は灰皿に煙草を押し付け、素早く二本目に点火する。



「うーん…私、その、音楽には詳しくないんですが、その、シュガビの音は好きです。毎回違う曲調で飽きがないというか…。」



もう!私、なんであんまり気の利いたことが言えないんだろう。



汐は言いながら、自分の音楽の知識の無さを悔いた。



「ありがとう。皆がそう思ってくれてるなら嬉しいな。うん。」



優太は汐の言葉に素直に嬉しそうに微笑んだ。