【完】最期の嘘

こんな大事で、しかも忙しい時期に、礼治がこのような状態。



美恵は、龍治やハイジより何倍もこの事態に危機感を覚えていた。



バンドのメンバーである以前から兄の友人だった礼治と龍治。



礼治の方は、昔からマイペースで掴めないところもあったから余計に、見たらすぐ分かるくらいの礼治の変化。



正直、見るに堪えない。



美恵はライブの打ち合わせをこなしながら、ある一つの決断へ踏み込もうとしていた。



これは礼治本人にも、龍治にも、恋人であるハイジにも、誰にも言わないで美恵の単独行動である。