【完】最期の嘘

龍治と話し終わり、自分の部屋に戻ると啜り泣く声。



「…しー?」



「グスっ…好きぃ……優太さん…好き。」



どうやら寝言らしい。しかし、寝言から漏れる汐の本音に、礼治は悲しく顔を歪ませた。



どんなに自分が沢山の時間を汐と共にしても、真っ直ぐ汐に愛を注いでも、優太に敵うことはないと思い知らされたからだ。



「覚悟の上でも、辛い…。」



優太よりも、ずっとずっと汐を愛しているのに。



優太よりも、ずっとずっと汐のことを知っているのに。



与える一方で、礼治の身体の中の愛はどんどん減っていく。



礼治の身体は、もう抜け殻に近い状態であった。