【完】最期の嘘

「あ、すみませーん、俺、トンカツ定食と生下さい。えっと…どうする?」



「あ…私も、トンカツ定食で。」



注目をする優太に、汐も同じものを頼む。



「そういえば、まだ名前聞いてなかったよね?」



「あっ、私、如月汐です。」



汐は極度の緊張で喉が渇き、素早く名前を言うと水を飲み干した。



冷たい感触が、喉から体に染み込む。



「そんなに緊張しなくてもいいのに。」



そんな汐を、優太はただ穏やかに笑った。