【完】最期の嘘

「……しー。何、やってるの?」



そのフローリングに座り込み、壁にもたれ掛かり膝を抱え丸まった汐。



礼治の声に、汐がぴくり、と微かに身体を震わせる。



礼治は雨で少し湿ったウェスタンブーツを脱ぎ、汐の真正面に座り込んだ。



「鍵、女の子、物騒だよ。」



短い言葉達ではあるが、その言葉達からは礼治の優しさが伝わって来るようである。



「ね、しー、顔見せて?伏せてたら黒しか見えないよ。」



礼治はその細長い指先で汐の頬を拾い上げ、自分と目線を合わすように力を込めた。