汐の部屋の前に来たのはいいが、時間はもう、深さを越え、やがて早朝に差し掛かろうとしている。 詳しいことは分からないにしても優太に泣かされたことは間違いない汐。 もし、泣き疲れて寝ていたら、起こすのは可哀相だ。 礼治は、ドアノブを握っていた方の手に体重をかけ、溜息を一つ漏らす。 …と同時に、そのボロいドアは、音を立てて礼治を部屋の中に導いた。 「っわ…。ドア、開いたまま。」 礼治は驚き、サラサラの銀髪を掻き乱す。 そして、電気の点いたままのそのフローリングの先に、目線を向けると…