【完】最期の嘘



「ねえ、ユータ、今日、しーと会ってあげた?」



そんな優太の言葉を止めたのは、礼治のその一言である。



「こんなとこで、俺と会ってていいわけ?」



「いいんだ。もう、会ってきた。……っていうか、もう二度と汐ちゃんとは、会うつもりないよ。」



礼治の言葉を止める優太。



その一言に、礼治は瞳をかっと見開いて優太の方を見つめた。



「俺、ツアー初日の夜、汐ちゃんとさ…。」



「知ってるよ。しーに聞いた。けど、それと二度と会わないのと、何が関係あるの?」



優太は礼治が自分達の関係を知っているのに少し驚いたと同時に、安心をした。



汐と礼治が親密なら、きっと汐を支えてくれると考えたのだ。