【完】最期の嘘

車を走らせ数分、深夜のファミレスに到着した。



「お客様、何名様ですか?」



「連れ、細長い男、待ってるはずだけど。」



柔らかい物腰で言う礼治に、店員も『連れの男』にピンと来たらしくその席まで案内する。



店員の案内した先には…黒髪ミディアムショートに空色のメッシュだった優太ではなく、格闘家のようなつんつんした黒髪短髪に変貌した優太がいた。



「どうしたの。似合ってるけど、驚いた。」



「ああ…どうにも、髪の毛切りたくなって自分でやっちゃったけど変かな?」



頭を掻き、笑みを浮かべる優太に違和感を覚えながら、礼治は向かい側の席に腰を下ろした。