【完】最期の嘘

車に乗り込み、指定されたファミレスまで向かう。



「そういえば、しー、ユータと今日会えたかな?」



礼治の脳裏には、優太の帰りを待ち侘びている汐の姿が映る。



もし会っていないと優太が言ったら、時間なんて関係ないから会いに行けと言ってやろうと礼治は心の中で決意した。



礼治が望むのは、汐が、大切な人が幸せに笑うことだから。



例えそれが、笑顔が、自分に向けられたものではないとしても…。