【完】最期の嘘

しかし、優太の気は収まらない。



自分のせいで驚かせてしまったことに、何か詫びがしたい。と思っているのだ。



「あのさ…お詫びといっちゃあなんだけど、今から飯、奢るよ。」



「へっ!?そんな!気なんて遣わなくてもいいのに!」



優太の申し出に汐は顔を上げて再び手をひらひらさせた。



しかし、丁度空腹だった体は正直らしく『ぐう』と小さくお腹の虫が鳴いた。



「ははっ。決まりだね。どうせここに居てもマネージャーにばれる可能性高いし、俺も腹ぺこなんだ。」



優太はにこやかに笑うと、外したサングラスとニット帽を再び装着した。