【完】最期の嘘

『こんな時間にゴメン。』



礼治の耳元に聞こえたのは、いつもよりワントーン低い優太の声である。



「ん。ユータこそ、ツアー終わりで疲れてない?」



『大丈夫。…それより、さ。これから、会えたりしない?』



いつもと明らかに様子のおかしい優太に疑問を持ちつつ、礼治は優太と約束を交わし電話を切る。



「さ、着替えよ。」



着ていた黒基調の衣装を控室で急いで着替え、礼治はメンバーで最後に撮影場所を後にした。