僕の心に引っかかってる事・・・


ユキの涙の本当の理由。




話してくれるまでは、無理に聞かない。

ユキが話したくなるような、イイ男にならなきゃな。

なかなか眠れない夜の過ごし方。

出会ってからのユキとの会話を思い出すこと。



「おはよ~ハル!」

山田の登場だ。

どうか僕を好きでありませんように、と祈る。

「おお。」山田の目が見れない。

「あのね、友達があんたのこと気になるから聞いてくれって言うんだけど、あんたって好きな子いるの?彼女は?」

「なんだよ。プライバシーだよ。教えないよ。あ、でも好きな子はいる。」

山田はその日、早退した。鈍感な僕だけど、山田の気持ちが僕が思っているよりずっと本気だったことがわかった。

今日は金曜日。

芸術の時間、僕のパラダイス!

仲良くなって初めての授業だから、やけに胸がドキドキする。

「今日は、詩を書きます。俳句、短歌、なんでもいいです。自由な発想で書いてくださいね。」

斜め右の、愛しのユキ。今日もサラサラヘアで、一際輝くオーラを放っている。

「ゴホン」って嘘の咳払いしてみた。

クルって振り返って、僕を見るユキ。

微笑みあう僕ら。

2時間の授業で、何度も何度も咳払いして、ユキがこっちを見た。

鈍感な僕だけど、ユキは僕をキライではないはずだと確信した。

好きになるかどうかは、僕のこれからの努力次第だ。

肝心の詩のほうは、自画像よりスラスラ書ける。

恋してるからなのか、実は詩の才能があるのか・・・。

人には見せられない程、甘い詩。



『風になびく君の髪 僕の五感をくすぐる甘い香り

 僕をとろけさせるその笑顔 

 どうかその瞳の奥を隠さないで』