缶コーヒーを買って、ベンチに座る。

浸りすぎだけど、ドラマのワンシーンのようにかっこつけてみる。


「ふ~~。」


タバコ吸ってるわけでもないのに、大きく息を吐く。

小さい頃、母とこの公園で遊んだ。

やんちゃな僕を、いつも目の届くところで見ていてくれた。
今の僕なら素直になれる。

家に帰って、

「おかん、ただいま。それと、毎日弁当ありがとうな。」


走って、階段を駆け上った。


ユキの存在がどんどん僕を変えていく。


明日、またデートができる嬉しさと、よくわからない不安が僕を眠れなくさせる。

掴めそうで掴めない・・・そんな気持ちにさせる人だ。


一緒にいられるだけで幸せなのは、僕はユキが好きだから。


ユキはどうして、僕を誘うんだろう。



何かをかき消すように、「遊んであげる」と言ったユキ。



一人でいたくない理由でもあるのだろうか。

メルアドを聞いてないので、僕らは明日どこで待ち合わすのかさえわからない。

もし、これからもっと仲良くなって、寝る前に『オヤスミ』とかメール来たりしたら、僕もう眠れないよ。