とはいえ、今の僕はユキ一色だ。
ユキさえいればそれでいいなんて、そんな僕はきっと格好悪いだろう。
今の僕は、ユキに夢中でフワフワと夢の中にいるようだった。

最近は、授業中も寝てるか、ユキのこと考えていることが多い。
テストもやる気なし。

頑張ってるといえば、サッカーくらいだろう。
好きなことには夢中になれる。

そうか!将来、サッカーに関わる仕事をすればいいんだ。

審判とか、コーチとか・・・

他には・・・。

結局、また自分の未熟さに悲しくなる。


「神宮司君!聞いてるの?」

また怒られた。


「最近、ぼーっとしてばかりで。このページ全部読みなさい。」

これじゃだめなんだ。


恋をして、向上しない人間はダメだと思う。


恋をして、僕は変わったんだ。

ユキにいろんなこと教えてもらって、強く優しくなれたんだ。

ユキを幸せにするためならなんだってできる。

この気持ちで、勉強に打ち込むことが今僕にできることかもしれない。

まだ将来の夢も目標もない僕は、可能性を広げる為に勉強するしかない。