「そのしおり……」

「?」

彼女の目線の先には節分草のしおり。

私はしおりを見たまま、

「節分草っていうの」

と呟く。

「へー…。豆まきを思い出すね!」

「だね」

節分草は、なんとなく好きな花で。

花言葉が人間嫌いだと知ったとき、

あぁ、だから好きなのかもしれない、

なんて思った。