毬子さんは、
ウーロン茶を少し飲み、
一呼吸置いて、
「2年前、お兄さまは、最愛のヒトを亡くしてるの・・・・」
「「え?!」」
持っていたお箸の手が止まり、
考えてもみなかった話に、ただ、毬子さんを見つめるしかなかった。
「2年前のクリスマスの日に、事故で・・・・
その日、プロポーズするつもりだったらしくて・・・・
美和さん、っていうんだけど、
乗っていたタクシーに、スリップした車がぶつかって・・・・
ほとんど即死に近い状態で病院に運ばれたらしくて・・・
美和さんが亡くなってから、
お兄さまは、朝も夜もなく、
仕事に打ち込んで、見てるこっちまでも辛かったわ」
お姉ちゃんと私は、じっと毬子さんの話に耳を傾けた。
「でも、リコちゃんと出会って、
お兄さまは、またヒトを愛するコトを
はじめようとしてるんだと思うの ただ・・・・」
「・・・・・?」
毬子さんは、バッグから白い封筒を取り出した。

